全力疾走で走り続けるのは若い時だけ。腰を落ち着けて仕事のクオリティを追い求めたいなら、コンサルタントから事業会社への転職がおススメです。

ポストコンサルの転職先

コンサルタント

事業会社へ転職を希望する人は、「自分で立案した事業計画を、自分の手でドライブしたい」という欲求を抱えている。 このジレンマを解消できるのが事業会社への転職。 結果に対する責任は重くなるが、自らが立案した計画に基づいて現場を直接指揮命令できるので、やりがいは倍増する。

「絵を描くだけでは半人前、現場に伝えて、人を動かせてこそプロ」とうスピリッツ。 表向きの転職理由(約50%)はこの通り。 だけど、もう一歩心の奥底に迫ると、残り50%はライフワークの改善を目指している人が多い。

数年コンサルタントとして働いた人であれば、「あと何年このペースで仕事をこなせるだろうか?」と不安を感じた経験はあるだろう。 しかも1度や2度ではないはず。 30代・40代になって家庭を持てばなおさらのこと。 今のキャリアを活かせる落ち着きどころを確保しておこうと考えるのは自然な流れ。

ポストコンサルの転職先として考えられる選択肢は3択。

  1. 同業種内で転職
  2. ファンドへの転職
  3. 事業会社への転職

同業種内であれば給与水準をアップさせやすいけれども、ワーク・ライフ・バランスの改善は見込めない。 ファンドへの転職も同様で、さらに景気の影響を受けやすく不安定。 腰を落ち着けて仕事に取り組むのなら、事業会社への転職が最適という結論に至るわけです。

事業会社で求められる役割

①経営企画
大手企業であれば本社の経営企画室、中小企業であれば社長直轄の懐刀としての役割。 社内外ともに「折衝力」が強く求められる職域で、戦略系や財務系コンサル経験者が好まれます。

②企画・事業開発
事業開発系はコンサル出身の手腕を実践で試せる場でもある為、人気が高い。 そして企業側の採用ニーズも高いのですが、求人マッチングが難しい。 転職する側へのアドバイスとしては、広く長期的視野で情報を拾い、良い条件の案件が見つかったらすぐに手を挙げる準備をしておくことです。 良い巡りあわせがあれば、事業会社の醍醐味を最も感じられる分野です。

③インハウスコンサルタント
事業会社がコンサルティング会社を雇っても、十分に成果を出せていない事は周知の事実。 それに気がついている大手企業では、社内に受け入れ態勢を作ろうとしています。 例えば、形式主義に陥り業務プロセスが複雑化している組織を横断化する部署。 そのポジション(ブリッジ役)にポストコンサルが転職するという事例が増えています。

オーナー企業の後継CEOを狙え

ベンチャー企業への転職であれば、中期経営計画策定、営業企画、管理会計の整備、全社業務BRP等・・・かなり幅広い業務に携わらなくてはなりません。 もしかしたら「コンサル時代より年収は下がって、仕事は忙しくなっている」なんてことも! ですから会社のビジョンや夢を一緒に追いかけられる人でないと厳しいかもしれません。

その一方で、大手企業であれば仕事は細分化されているので、割り切った考え方も可能。 定量データの分析が得意でドキュメンテーション力に自信のある人は、大手向きと言えるでしょう。

最後に一番のおススメは、創業者がバリバリ第一線で活躍している旧業態の中堅企業。 対象となる会社数は限られますが、チャレンジしてみる価値はあります。 クロスボーダーM&Aを決め、買収先企業のカントリーマネージャーとして実績を上げ、CEO後継者となるストーリーはとても魅力的です。

今回のまとめ
  • 収入・やりがい・プライベートのバランス配分を考え直す
  • 巡り合わせが大事なので人付き合いを大切に
  • 旧業態の中堅企業が狙い目