転職直後は孤独です。
転職に2度も失敗した筆者だからこそ見えてきたことを伝えたいと思います。

一人では悩みを解決できない

サラリーマンの帰宅シーン

幾度となくこみあげてくる虚無感と後悔。あの頃は「朝起きたら会社に行く」以外の選択肢はありませんでした。

家族は、私が転職に成功したと信じている。だから新しい職場の愚痴をこぼすわけにはいかない。 昔の同僚にも、いまさら「前の方が良かったよ」など恥ずかしくて言えない。そして今の職場に、仕事の悩みを相談できる仲間はいない。

転職直後は孤独です。 自分を理解してくれる人はいません。 気心が知れた友人でさえ、仕事の悩みはシリアスな内容になってしまうので、気軽に打ち明けずらいです。

だから、転職相談所を利用するしかありません。 相談窓口はどこでも良いと思います。 相談施設より相談員の資質に注目して、信頼できる人を見つけましょう。選ぶポイントは下記4つです。

相談に値する人
  • あなたの現状をありのまま話せる人
  • 広い知見を持っている人
  • 今だけでなく将来まで考えてくれる人
  • 旧習にとらわれず柔軟な思考をする人

ただ相談する前に、まずは自分の現状を整理した方が良いです。 これから先はその為のアドバイスを列挙します。

相談する前にやるべき4つの事

面談シートへの記入

①やりたくない仕事を明確にしておく

やりたくない仕事を明確にして、その理由を説明できるようにしておきましょう。例えば、ノルマのある仕事は嫌、テレアポでの新規開拓は嫌、女性だけの職場は嫌、キャリア形成につながらない仕事は嫌・・・など、具体的に書き出すと良いです。

②転勤の有無を決めておく

正社員の総合職であれば「全国勤務は仕方ない」と思っている人が多いですが、今はそんなことありません。正社員であっても勤務地を限定できる職域限定社員という選択肢も豊富です。会社に振り回されない人生を希望する事に、後ろめたさを感じる必要はありません。

③仕事内容と収入の優先順位を決めておく

特別なスキルがあるわけでもないのに、高収入を期待すると転職に失敗する確率が跳ね上がります。収入ダウンを受け入れてでも、仕事内容が充実している職場のほうがおすすめです。ストレスなく長く働けるほうが、結果として生涯収入を増やせるからです。どうしても生活費を下げられない場合は、最低限の収入ラインを明確にしておくといいでしょう。

④興味のある特定企業をピックアップ

「なんとなく良さそうだな」と感じる企業をピックアップしておき、相談員へ「私が〇〇企業へ転職できる可能性はありますか?」と聞いてみましょう。恥ずかしがってはいけません。もし何らかの接点を見出してもらい、アドバイスを貰えたらラッキーです。その憧れ企業への転職が叶わなかったとしても、今後の面接で使えるネタになる可能性があります。

転職相談所について知る

転職相談所の秘密

転職相談所には2種類あります。

  1. 公共系(ハローワーク・ジョブカフェ)
  2. 民間系(リクルートエージェント・パソナキャリア)

「どこに相談しようかしら?」と迷っているより、色々なところへ相談に行ってみるのがおススメ。 複数の人からアドバイスを聞いて、自分の職業観をブラッシュアップしていくのがいいでしょう。

ただ、忘れてはいけないのは「なぜ完全無料で、彼等があなたの転職活動をサポートしてくれるのか?」という視点。

相談所のバックグラウンド(本音と建前)

組織の本音と建前

①公共系(ハローワークなど)は弱者救済

公共系は、活動資金が税金なので、弱者救済が第一目的です。
主要業務は、失業認定・雇用保険適用という事務手続き。その余力で職業マッチング業務をやってます。
だからここの職員は、自分らしいキャリアの作り方を相談する相手としては、ちょっと役不足。ハローワークの相談員は、定年退職後に再雇用された臨時採用職員である事が多いです。

②民間系(リクルート・パソナなど)はキャリア相談のプロ

民間の転職エージェントは、キャリアカウンセリングのプロです。
キャリア志向性を伝えれば、将来のポジション&年収予測も可能。それを支えるのは、業界情報を熱心に収集している専門チームです。さらに実際の転職活動期に入ると、職務経歴書の添削・面接対策までフォロー体制は抜群です。

このような説明を聞くと、誰でも民間の転職エージェントを利用したくなりますよね。でも民間エージェントで手厚いサポートを受ける為には、ちょっとしたコツがあります。そのコツを理解してもらうために、転職エージェントの収益構造を説明します。

転職エージェントの収益構造

収支バランス

民間の転職エージェントは、求職者が転職に成功したら企業側から採用手数料を貰う事でビジネスが成り立っています。エージェントが受け取る手数料は、年収の約3割が相場です。

【収益例】

  • 年収1,000万円の人
     ⇒手数料収入は300万円
  • 年収400万円の人
     ⇒手数料収入は120万円

年収1,000万円の人をサポートしたほうが手数料を稼げます。でも、いつ転職するか分からない人をダラダラサポートするより、転職願望が強い人の背中を押したほうがビジネスになります。

「いつ転職したいですか?」という質問に対する答え

転職相談所での面談

どこの転職相談所に登録しても、必ず一番最初に聞かれるのは「あなたの転職希望時期はいつですか?」という質問です。

さぁ、あなたならどう答えますか?
ありのまま全てを話すべきだから、現在の気持ちを正直に伝えるべきなのでしょう。 でも、この質問に対する回答だけは違います!

①「良いところがあればすぐにでも転職したい」が模範解答

これが民間の転職エージェントを最大限に活用するコツです。
「2~3年以内に」とか「将来の為に相談に来ました」と正直に話しちゃう人がいますが、それはアウトです!

②「今すぐ転職したい人」は全力でサポートしてもらえる

前述した転職エージェントの収益構造を思い出してください。転職エージェントにとって一番手厚くサポートしたい人物像とは「今すぐ転職したい!」という堅い意思を持っている人です。そうでなければ実績になりません。

たとえ、現段階では単なる情報収集だとしても、これだけは嘘も方便と割り切りましょう。相談員の鼻先にニンジンをぶら下げて、転職活動を全力でサポートしてもらう為の知恵です。

③次のチャンスを掴むために、真剣に活動を開始する

転職はタイミングが重要です。良い企業の応募が出てから、職務経歴書を作成するのでは間に合いません。既に準備が整っている人が、その求人を手にしているでしょう。

だから一度、真剣に転職活動を開始することをおすすめします。そうすれば、どのような企業が人材を求めているか、自分の市場価値はどのくらいなのか、見えてきます。そうすることで、あなたが次のチャンスを掴めるのです。

人生で成功するには、このような戦略的思考が必要です。

有益な転職相談所&その評価

リクルートエージェント

業界トップの転職支援サービスなので、情報量は豊富です。ただ知名度が高いので、転職を希望する登録者数も半端ない数です。その中で自分のキャリアプランを真剣に考えてもらう為には、かなりアピールが必要。高スペックな人は受け身でも大丈夫ですが、普通の人はキャリアアドバイザーを振り向かせる為のネタを用意して面談に臨むべきでしょう。

リブズキャリア (※女性専用)

キャリア志向の女性を専門にサポートする所。良い点は①女性が活躍できる企業が分かる、②女性特有の悩みを理解してもらえる、③ロールモデルとなるキャリアを描ける。欠点は大手総合人材会社と比較すると情報取扱量が少ないので、ここに登録しただけでは情報の漏れが出てしまう。大手人材紹介会社のサブとして利用すると良いでしょう。

type転職エージェント

IT・WEB業界に強い転職相談所です。この分野は成長中の企業が多く採用ニーズも多種多様です。あらゆる産業がネットにつながる時代なので、前職の経験を思わぬ分野で活かせる可能性があります。ここに転職相談する事で、業界を超えて自分が働ける領域を探せるメリットがあります。

ミイダス(※転職相談事例の宝庫)

「まずは自分の市場価値を知りたい」という人におススメ。登録すると7万人の転職事例を見れます。例えば「〇〇大学卒で〇〇歳のメーカー営業マンがどんな会社に転職したか?その後の不満や後悔したこと。」という内容が具体的に分かります。転職前と転職後のギャップに悩んでいる人は多いので、同じ失敗をしないように事前学習しておくといいでしょう。尚、「ミイダス」はネット上で完結するデジタルマッチングなので、人に相談するのが煩わしいという人にも向いています。

ハローワーク

民間の転職エージェントサービスは、東京&大阪&名古屋の周辺地域が中心です。また「紹介できる案件がない」という理由で登録を断られてしまうこともあります。
そうなると、ハローワークを頼る他ありません。最近は平日夜間や土曜日も利用可能な施設が出来ました。まずは「ハローワークインターネットサービス」で求人検索をして、気になった会社の求人番号をメモしてから相談員のところへ訪問するのが良いでしょう。

コロナ後は「ジョブ型雇用」が加速する

日本の雇用形態が、「メンバーシップ型雇用」から「ジョブ型雇用」へ変わりつつあります。

  メンバーシップ型 ジョブ型
採用国

日本

欧米

方式

職務を限定せず採用し、転勤・配置転換で人材を育てる

職務に必要な能力を明確にし、社内外から人材を募る

業務範囲

総合的・無限責任

限定的・専門的

評価基準

全体主義・曖昧

成果主義・透明性が高い

人材流動性

低い

高い

多くの人が在宅勤務を強いらたコロナ禍の影響で、働き方改革が一気に進みそうです。先見の明がある企業幹部は、「長時間労働・通勤ラッシュ・生産性の低い会議・・・」を改善するチャンスと捉えています。

世間にショックを与える出来事があった後、多くの人の価値観は変わります。特に「メンバーシップ型雇用」から「ジョブ型雇用」への変化は、働き方の基礎構造部分です。このトレンドが逆流することはないでしょう。

管理職は不要になる

テレワークの普及で管理職は不要になる

リーマンショック後に「一般職採用」が市場から消えました。コピー&電話番の為に正社員を採用するのは、コストが見合わなくなったからです。

コロナ後に消えるのは「管理職採用」です。正確には「部下の管理を主たる仕事にする人」が不要になります。社内のデジタル化が進むと、アメーバ状にコミュニケーションする組織が望ましいからです。

近未来の組織で役職に就くのは、コミュニケーションの中核メンバー。その候補はジョブ型のスペシャリストです。いままでの中間管理職とはイメージが180度異なります。

「ジョブ型スペシャリスト」を目指して、キャリア変更を目指すことをおすすめします。この問いかけに、あなたのアンテナが反応するなら、いますぐ行動に移すべきです。

■■■ 最後に ■■■

転職相談は、相手の資質(バックボーン)が変われば視点も変わります。ですから多くの相談員と接した方が自分の為になります。

新たな気付きを得る為には、複数の転職相談所に登録し、同時進行で転職相談するのがおすすめです。
面倒くさいと思わず、自分の可能性を広げるために貪欲になりましょう。

転職活動をしてみたものの、まだ実力不足だと気が付いたら2~3年後に再チャレンジするのがいいでしょう。再チャレンジまでの期間は、転職エージェント側に休会を申し入れておけば、いつでも再開できます。